粟野のリノベ
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「住宅医」による「木造建築病理学」に則ったフルリノベーション。
ここから奥は山間部。平地と山地のちょうど境界のような岐阜市北部に建つ築48年(2022年当時)の木造住宅フルリノベーション。
現在は愛知県に住まわれている住まい手。奥様のご実家が空き家になっているのでセカンドハウスとして活用したいということでご相談に来られました。セカンドハウスということだったので、コストのこともあり範囲を限って部分的な性能向上リノベーションで進めていこうと打合せを重ねていくと、あれよあれよと要望が出て、対象範囲も広がり…。結果、家全体をリノベすることになりました。
この住まいは一部(道路レベルですが)地下空間があり、その上に2階建てが載っている地上2階地下1階の3層の住宅です。
一部ひび割れの激しかったALC部分の外壁はカバー工法によりガルバリウム鋼板を張っていまが、それ以外の外部に関してはほぼ手を付けず、内部から耐震補強、断熱補強をかけています。開口部に関してはサッシサイズの変更をしたLDKのみアルミ樹脂複合サッシに取り換え、それ以外は内窓により断熱補強としています。
計画前に詳細調査をすると地下の天井を支える床梁(1階の床梁)が雨漏りによる腐朽と蟻害がひどく、また床梁自体のセイ(高さ)も全く足りないため床がひどく撓んでいる状態だったので梁の架け替え+材のメンバーアップを行いました。その結果1階の床レベルに差が出来空間に変化が生まれました。また高度成長期の物件特有の材の貧弱さ、工事の粗さが露になったので都度材の入替え・補強を行っています。リノベ前後で間取り自体は大きく変わっていませんが、階段の位置を変更することで階段によって区切られていたLDKを一室空間としています。
有効な外部空間がほとんどない延床面積80㎡のコンパクトな住まいですが、目の前を流れる川とその堤防に植わっている桜並木、さらにはその先の山並みを借景として取り入れることで面積以上の広がりを感じさせる心地よい空間となりました。そしてその窓際には壁の幅いっぱいのベンチを作り付け居場所を創り出しています。
「セカンドハウスの予定でしたが、こちらで過ごす時間が長くなるかもしれません。」
住まい手が大工さんに話していた言葉が大変うれしかったです。
構造 | 在来軸組工法 |
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階数 | 地上2階地下1階 |
工務店 | 後藤建築 |
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