美しい日本の美意識である「ワビサビ」。
ワビサビの「ワビ」は、物が無く貧しくとも今あるものから、充足感や美しいと思える心を養う重要性を説いています。また「サビ」は、時間が経って物が古くなってしまっても、それを味と捉え美しさを見出すといった考えです。
この「ワビサビ」の考え方は、現代にも必要ではないでしょうか。
物が溢れる今だからこそ、もう一度考えてみませんか?
「ワビサビ」を通して、シンプルな和の魅力を再度発見しましょう。
デザイン照明で一味違う和室
こちらは、築42年のヴィンテージマンションをリノベーション。
直線的なイメージのある和室に、曲線を使った照明器具がさり気なくアクセントとして効いています。
ポイントとしては、照明器具は「あくまで自己主張しすぎない」ところではないでしょうか。カラーテイストを、和室と同じようにベージュとオフホワイトの2色で統一しています。ここを別の色で選択すると目立ちすぎてしまい、照明器具の印象が強くなってしまうでしょう。
囲炉裏でほっこりできる板の間
茅葺民家(かやぶきみんか)を解体し、その解体した古材や建具をリサイクルした住宅。古いものを新たに再利用して使用することは、ワビサビで言う「サビ」の精神に近いものを感じますね。
全体的に、シックなトーンのカラーコーディネートの板の間は、落ち着いた雰囲気があり居心地の良い空間です。
囲炉裏のある杉の無垢フローリングには、床暖房を組み込むことにより冬でも暖かく過ごせます。レトロな雰囲気ですが、現代のものをうまく組み合わせることで快適な生活が可能です。
和と洋、2つのテイストを融合
和と洋が上手く融合しているお宅です。和なら和、洋なら洋といった固定観念を崩させるインテリアでしょう。
アッキーレ&ピエル・ジャコモ・カスティリオーニ兄弟作「アルコランプ」とル・コルビュジェのソファの組み合わせといったモダンなリビングと隣り合わせの和室ですが、驚くほどマッチしています。
モダンも和も、基本的に無駄な装飾が少なくシンプルになっているものも多いため、実は和との相性も悪くありません。
昔ながらの正統派な和室
伝統的な和室は、シンプルながらも風格を感じさせます。和室のベース色は、ベージュとオフホワイト。空間全体の引き締め役として座卓、畳縁、襖の枠はダーク色をチョイスしています。
和室の先に、アーチ型の垂れ壁が見えていますが、こちらはアプローチ空間。照明を組み込んだニッチがあり、ちょっとしたディスプレイが可能です。また、足元には砂利と照明器具が埋め込んでおり、光と影が織りなす陰影で心を清める空間となっています。
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2014年09月05日投稿
住宅設計
障子戸
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ライター/writer megumi,taki