外観だけじゃない。リビングも美しい片流れ屋根のある住まい

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片流れの屋根を室内のデザインに活かした創造的なリビング。天井に勾配があることで部屋に方向性を作り出し、高さの異なる壁を立体的に使うことで空間に躍動感を生み出しています。少しでも天井を高くするための方法でもあるため、平屋のリビングや吹き抜け部分などで採用されていることも多くあります。今回は、片流れの屋根や切妻屋根の美しい外観の住まいの中から、その屋根形状を室内からも楽しめる、美しい勾配天井のあるリビングをご紹介します。

グランピングリゾートをイメージした勾配天井のあるリビング

リビングのソファーに腰掛けると全面ガラスの開口が広がります。勾配天井からアウトドアリビングにかかる屋根が、まるで大きなテントにいる気分にさせてくれます。窓を梁が貫くようにも見える構造が、より外とのつながりを感じさせます。吹き抜けのリビングの上階には、隠れ家のような居室が。デッキ上の大きな軒部分に開口があることで、上階の部屋とリビングともに明るい空間となっています。窓を開ければどの部屋でもグランピング感を体感できます。室内にいながら外の雰囲気を楽しめる、開口全面がガラスの開放感抜群の空間です。

奥行きのあるLDKをより伸びやかに見せる勾配天井

こちらのリビングもアウトドアリビングにかかる軒まで勾配天井が続いています。木をふんだんに使った自然で美しい空間。屋根の構造材の形状が部屋の奥行きを強調しています。建物全体の7割ほどを覆う片流れの伸びやかな屋根が、室内にも外観にも特徴を与えていますね。天井に埋め込まれたトップライトがダイニングキッチンを柔らかく照らすことで、昼間はとても明るい空間に。ダイニングテーブルから見える木製ルーバーも素敵ですね。

家族の団欒が微笑ましい勾配天井のリビング

南北に伸びる長い勾配屋根を持つ住まいです。深い軒がリビングを夏過ごしやすく冬暖かい空間にしてくれます。吹き抜けの天井からダイニングテーブルの真上まで吊り下げられた照明もおしゃれです。勾配天井に貼られた板材は、無垢のもつ自然な色合いがより自然に感じられるよう、赤味のある部分と白い部分の色合いを整えて貼られているように見えます。その細やかな配慮が、多少色合いの異なる軒天の板材とも自然なつながりを感じさせている気がします。キッチンとダイニングテーブルの距離感も絶妙。家族の団欒が微笑ましい住まいです。

登り梁を活かしたLDK

伝統軸組工法の構造梁をあらわにしたリビング。勾配のついた梁が障子で閉じられた外の空間への広がりを感じさせます。その先は中庭となっており、外部からの目線を気にせず開け放てる空間が広がります。これだけ大きな開口部が、プライバシーを確保しながら外部と面しているのは素敵ですね。高くなった側の壁には、光と風を取り込める窓が随所にあり、窓を開ければその風が奥の部屋に届きます。濃茶で整えられた和モダンの風情漂う上品なLDKですね。

二方からデッキテラスへ流れる勾配屋根のあるLDK

キッチンに立った時に見える景色。室内を切り取ったようにも見える三角のデッキテラスへ、二方向から勾配屋根が流れています。構造をあらわしたその天井の形状に美しさを感じます。畳スペースとリビングの両方が掃き出し窓に面していることで、空間的なつながりと開放感が感じられます。一方でリビングのソファーに腰かければ、天井はデッキテラス向かう片流れ形状に見えます。見る場所によって違った表情を見せる、躍動感溢れる勾配天井のあるLDKです。
屋根勾配の形状を活かしたデザインであったり、無垢材を貼り意匠性を高めたりした事例を見ると、勾配天井のある住まいには仕上げにこだわった事例が多いように感じます。それは、勾配天井の場合、水平の天井よりも視線が集まりやすいためかもしれません。また、勾配天井が深い軒と一体となったデザインには、天井を高くし開放感のある室内づくりだけでなく、日差しを調節する機能的な働きをも併せ持つスマートな美しさを感じますね。

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ライター/writer hotagos