狭小地や変型地での住宅・集合住宅の計画

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狭小地や変型地での住宅・集合住宅の計画
私はおもに、都市周辺の住宅地で住宅や集合住宅を実現させてきました。
その経験から、都市に多い狭小地や変型地での計画のあり方を記します。



・環境のありよう・生活のありかた
都市とくらべ、郊外にいけば同じ地価でも広い土地が手に入りましょう。
風や光、自然とのふれあいも、その土地内で満喫すこともできましょう。
しかし、都市の生活にもよいところがあります。
街灯は一晩中点灯し、コンビニまでつっかけでいけます。どこでも情報
を入手できて、エンターテイメントも沢山あります。東京では、意外と
大きな公園も多く、自然と触れ合うことも、それほど難しくありません。



都市には都市の。郊外には郊外の。それぞれ、住まい方があるのですね。
そこを意識できれば、都市の生活もエンジョイできるはずです。



・法規制を逆手に取った発想
都市の狭小地や変型地には、さまざまな法規制があります。
建蔽率や容積率といったものから、建物高さの制限まで。厳しいです。
たとえば、南側に庭を設けようと建物を北側に寄せたため、北側からの
斜線制限で窮屈な形状となっている住宅をよく見かけます。
いっそ 建物を南側に寄せ斜線制限を回避し、内部に大きな空間を確保
してはどうでしょう。お庭は、公共のお庭・公園を活用しましょう。



集合住宅の計画でいえば、
条例によって、特殊建築物にあたる共同住宅への規制もあります。ただ、
特殊建築物にあたらない長屋形式として計画する方法もあります。
厳しい規制へ工夫が必要とされ、ユニークな空間となることで付加価値
が生まれることもあります。



・木造住宅への回帰
鉄筋コンクリート造の建設コストの高騰がつづいています。
法的に防火性能を要求される都市での住宅計画は、耐火建築物として
認められる鉄筋コンクリート造での計画はスマートではありましたが、
ここにきて、耐火性能を要した木造住宅の計画に注目しております。



たとえば、本来、耐火建築物を要求される3階建共同住宅であっても
一定の基準を満たせるなら、木造での計画も可能なケースがあります。
特殊建築物にあたらない長屋形式では、なおのこと可能性があります。



鉄筋コンクリート造にくらべ、木造は建物そのものの重量も軽いため
杭や基礎工事のコスト軽減も期待できるでしょう。



都市での木造住宅建築のこれからに、注目しております。
岩間隆司/SOCIUS一級建築士事務所

written by 岩間隆司/SOCIUS一級建築士事務所

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