家づくりのスタートとして土地探しからという方も多いかと思いますが、土地自体に対してどういう点を重視しますか?
日当たりのいい土地を希望されるほとんどの方が、「南側道路の土地」を思い浮かべるでしょう。
実際に新聞の折り込みチラシにある不動産広告の宣伝文句に「南側道路で日当たり抜群!」というのをよく見かけますので、知らない間に「南側=日当たり良好=いい土地」というイメージをお持ちなのでしょう。
しかし、それって本当でしょうか?
南側に道路があれば道路には建物が建つことはないので、日当たりを遮るものがなく確かに日当たりは一見すると良いと思うかも知れません。
もちろん、南側に道路がある土地にメリットはありますが、メリットばかりではないのです。
一般的な住宅地では、それぞれの土地に対して道路斜線制限と北側斜線制限を受け、その制限内に納まるような建物にしなければいけません。
南側道路の土地の場合、道路斜線制限は南側から、北側斜線制限は北側(真北)からと、南北方向それぞれから斜線制限を受けてしまい、建築できる範囲(ボリューム)が小さくなってしまいます。
さらに南側道路の土地の場合、玄関アプローチやカーポート、ガレージといったスペースはおのずと道路のある南側に
設けることになる場合が多く、せっかく日当たりの良いの南側に採光を必要としないスペースが占めてしまいます。
また、南側に家族団らんのスペースであるリビング・ダイニングを1階に配置し、そのスペースの前に庭を設けた場合には、道路側からリビング・ダイニングや庭が丸見えになってしまいます。
よくこのような家の前を通ると、昼間なのに窓にカーテンがかかっていたり、洗濯物が干された庭が丸見えだったりする場面をよく見かけたりします。
一方、敬遠されがちな北側に道路がある土地はどうでしょうか?
この場合、道路が北側にあるため、道路斜線制限と北側斜線制限の両方が同じ北の方角から制限を受けることになるので、建築可能なボリュームは南側道路の土地よりも大きくなります。
また、北側に道路があるので、玄関アプローチやカーポートなどといった採光を必要としないスペースが北側に集まることが多いので、採光を必要とするリビング・ダイニングスペースを南側に配置することが出来ます。
したがって、北側道路の土地にもメリットは十分あります。
言うまでもありませんが、東西南北のどちらの方向に道路があっても住みやすく日当たりのいい家をつくることは、我々は設計事務所ですので可能です。