ペット共生住宅の展望

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"愛玩動物"という意味の呼び名である「ペット」は、1970年代欧米を中心に「コンパニオンアニマル」という"伴侶動物"という意味の呼び名に変わってきました。その名が示すとおりペットが生活圏を人のより身近に移動・共有させ、生涯の伴侶として人とともに生活していく役割を与えられています。しかも欧米ではペットが人の健康の質を向上させるアニマル・セラピー効果も報告され、その存在が注目されています。

このようにペットについての社会的地位も変化してきた今、彼らを向かえ入れる人間社会も対応が必要であると考えます。 正しいペットの飼育法を学ぶこと、人間社会のマナーを教えるしつけ訓練の徹底、飼い主のマナー向上などと同等に、ペットと暮らす環境である住宅の改善も対応のひとつに挙げられるのではないでしょうか。

現在の住宅は人が快適に暮らすことに焦点が絞られており、ペットが暮らすことに配慮された作りにはなっていません。 それは単にペットが室内を移動しにくいということだけでなく、健康・安全にも悪影響を与えてしまう材質が使われていたり、構造だったりです。 ペットも人も同じ生き物であり、ペットに現れる悪影響は人にも現れます。

アニマル・セラピーにおいて、心身が健康なペットでなくては飼い主のセラピー効果は望めないことも言われています。 ペット共生住宅を考えることは、ペットの健康や生活環境を向上させるだけでなく、そのペットと暮らす人たちの健康や生活環境の向上にもつながっていると私は考えています。 文責:愛玩動物飼養管理士/山下晴美
前田敦/前田敦計画工房

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