<コートハウスとは?>
東京近郊の住宅では、中庭を持つコートハウスを建てたいとの希望が根強く有り、現に私への依頼でも多くの場合魅力を感じるという方が多くいます。周囲の視線が気になる都市部では、気兼ねなくパジャマで過ごしながら、自分専用の庭を眺められれば、これは気持ちのよい事に違い有りません。では、コートハウスとは単に中庭のある住宅の事でしょうか?コートハウスの大先輩建築家の西沢文隆さんは著書の中で次の様に定義しています。
「敷地全体を庭と室内を含めて、あますところなく住居空間として企画し、屋外にも残部空間を残さない住居であり、囲われた敷地の中に自然と人、室内と室外の緊密な関係をつくり出す家のこと」 コートハウス論:西沢文隆著より
室内と室外、自然と人間の緊密な関係を作る為には、敷地の大きさや方位、周囲の建物との関係、建物の大きさや処室の配置など、いろんなバランスの上に出来上がってゆく物かと思います。単に中庭を作るだけでは上手く行かない場合が有りますし、メリットだけではなくデメリットも有る事を知っておく必要が有るでしょう。
次回では,そのデメリットをお話しします。