リビングのオブジェになる階段

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美しい階段。機能を損なわず存在感溢れる階段。吹き抜けのあるリビング内の階段には、空間のイメージを損なわないデザインが求められます。ただ、大きな構造物なので、安全に上り下りができれば、主張しすぎなくても良い気もします。空間に溶け込むすっきりとした美しい階段が理想的。今回は、そんな理想を実現した「リビングのオブジェになる階段」の事例をご紹介します。

ガラスで間仕切られたスチール階段

ガラスのパーティション越しに見える浮遊感のある美しい階段。まるでオブジェです。壁の間接照明と小窓から差し込む光の加減でメタリック感が際立っています。
階段室の縦への広がりがリビンクからも感じられることで、室内の開放感が断然アップしています。バルコニーに面する大空間LDKですが、廊下の小窓からも優しい光が差し込むことで、長時間太陽の光を取り込めます。ガラスとスチールの相性の良さを感じる芸術的階段です。

主張しすぎないシンプルな階段

白い壁に沿うように配置されたスチール階段。壁に合わせて白塗装で仕上げられた階段は、極力主張せず圧迫感が出ないよう配慮されたもの。その控えめな存在感が、空間に品を醸し出すことでリビングに不可欠な要素となっています。白く塗装された細い手すりも白壁に溶け込むことでさらにスッキリ感を高めています。モルタル色のキッチン上の天井や二色の異なるウッドの使い分けで、白基調のリビングを素敵に仕上げていますね。

築30年で生まれ変わった階段

壁の厚みを利用して作られた、壁上部まで伸びるCD収納スペース横の階段。上のものを取るには脚立などがいる高さですが、階段横であれば一石二鳥です。この階段は、築30年の住宅のリノベーション時に、同じ位置にあった階段を撤去し作り替えたものです。手前に残る柱はその面影かもしれませんね。横からの見た目がフラットなスチールと集成材でできた階段は、スチールの安心感と木質の軽快感を併せ持っています。無垢フローリングが敷かれた、暖炉のある落ち着いたリビングに楽しい雰囲気をもたらす階段です。

カフェ風リビングに映えるヴィンテージ感のある階段

カフェのようなおしゃれなダイニングキッチンとリビングの中央にある階段。アイアンで吊り下げたような形状が印象的です。部屋の一番目立つ場所にあるのにふさわしい、デザインにこだわりのある階段です。階段のヴィンテージ感が床面のテラコッタタイルと相性抜群です。細いアイアンは視界を遮らないので、階段を挟んでのコミュニケーションも問題なさそう。大人数でパーティーをする場面では、ここに腰掛けて話すこともできそうですね。一方、リビングから下に降りる階段は壁の合間を降りていく形状。白と黒でまとめられた色合いの対比も面白いですね。

モノトーンな空間に佇む美しい階段

中庭に面したハイサイドライトから光が降り注ぐリビング。グレーのタイルと白い天井と壁で構成された空間は、まるでグレースケースの世界に来たように感じます。大きな窓のそばに配置されたスチール階段は、形状そのものが美しくスマート。手すりも天井から美しく吊り下げられています。部屋の中からも、ある角度から見れば、階段自体のシルエットの美しさを感じることもできますし、また違った方向から見れば、空間に溶け込んでいて視界の邪魔にならないようにデザインされています。モノトーンな空間に佇む、スタイリッシュで美しさ際立つ階段です。
階段は、足で踏む「踏板」と踏板と踏板の間の垂直の部分の「蹴込み板」とそれらを支える「ササラ」で構成されています。踏板とササラが一体となった蹴込みのない形状の階段はすっきり感があります。また、蹴込みがないことで光の通り道にも。壁に踏板を取り付けた、ササラのない階段は、壁面と一体化し空間に溶け込んだ印象になります。形状が美しいオブジェのような階段は空間のアクセントになりますね。

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2016年02月24日投稿 デザイン・設計手法 階段のディティールについて (回答数0)
ライター/writer hotagos