心落ち着く空間へ。和の魅力を再発見する家

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生活の西洋化とともに住宅から姿を消しつつある和室。家全体がフローリングやカーペットで、畳を使った部屋がないという家も多いのでは?しかし、やはり重心の低い和の空間というのは落ち着くもの。畳の部屋は使い道が限定されないため、寝室やリビング、客間とさまざまな使い方ができるのも魅力です。また、改まったおもてなしにも、茶室に通じる和の凛とした空気感というのは格別。和の空間の魅力を見てみましょう。

用途を限定しない畳の部屋は狭小住宅にもおすすめ

使い道を選ばない畳の部屋は、限られたスペースを有効に使いたい狭小住宅にもおすすめです。収納スペースをしっかり取れば、夜は布団を敷いて寝室に、昼間は布団をしまってリビングに。そんなフレキシブルな生活スタイルは、部屋数の少なさもカバーできます。
この住宅は、畳のスペースに琉球畳を使用。コンクリート打ちっぱなし、収納を兼ねた白い階段といったモダンな空間にもすんなりと溶け込みます。

和の凛とした雰囲気が最高のおもてなし

こちらはハレの場のための和室。琉球畳がすっきりとスタイリッシュな印象です。壁にしつらえられた丸い小窓が満月のようにも見えます。天井は網代で軽やかに。黒い式台が品の良い引き締め役になっています。雪見障子をあければ、縁側の先に行燈風の灯りでライトアップされた中庭を見ることができます。和室は、使い方次第で同じ空間がくつろぎの場にもおもてなしの場にも変わるのが魅力です。

古民家の建具や古材を再生した和の住宅

茅葺民家の建具や古材を再生して新築された住宅です。和室に続く板の間に囲炉裏を切り、古民家の風情を残しています。床材は無垢の杉。直接座っても寒くないように、床暖房が組み込まれています。和室から囲炉裏の板の間越しに庭を眺めれば、家の中の暗がりと障子越しの柔らかい光、白い壁と建具のダークな色調が作り出す光と影の対比が和の空間を引き立てます。

内と外をつなぐのは、和む場所にもなる縁側

かつての日本の家に見られた縁側。近頃はテラスにとってかわられた感がありますが、やはり縁側の開放感は独特です。この住宅は、平屋の開口部に沿って巡らされた縁側が、内と外をゆるやかにつないでいます。縁側に腰を掛けてスイカを食べたり、おしゃべりをしたり。日向ぼっこにも最適です。縁側と室内の間にある窓は、断熱仕様のアルミサッシの外に木製格子戸を設置することで和の趣になっています。
畳や障子、縁側など、和の要素はどこか懐かしい雰囲気を持っています。書院造りのような和室でなくても、和の良い部分を取り入れた住宅はほっこり心が落ち着くもの。床に座る生活は、気持ちが落ち着きリラックスしやすいという面もあるかもしれません。暮らしに和の要素を取り入れて、和の魅力を再発見してみませんか?

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障子戸 2014年09月05日投稿 住宅設計 障子戸

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ライター/writer okunaga