キッチンのつくり方

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キッチンのつくり方(豆知識サムネイル)

キッチンに立つよろこび キッチンは家に居る時間の中でそこに滞在する時間がとても長い場所です。でも実際の毎日の生活においてはキッチンは、炊事・洗濯・掃除といった家事のひとつである「食事の準備」や「後片付け」などの作業を行う場所・・といった、ついつい機能重視な見方をしてしまいがちです。 キッチンという空間への評価は、「美しい」「機能的」「使いやすい」「お掃除がしやすい」・・・などさまざまな項目がありますが、毎日使う場所だからこそ<キッチンに立つ>ということが毎日のよろこびになるように、そこを使う人にとって心地よく楽しい空間としてデザインされなければならないのでは・・・と私は思うのです。

 

キッチンづくりの3つのポイント

そこで、キッチンの新しい評価項目として、私は次の3つのポイントをあげたいと思います。

 

まず1つめはなんといっても「明るく、通風のよい空間」。光がたくさん入る明るい空間はそこに居るひとの気持ちを軽やかにしてくれる作用があります。楽しい気分でキッチンに立てば、きっと苦手な炊事仕事もすいすいとはかどってしまうことでしょう。

 

2番目は「収納」。物の出し入れに関するストレスって意外と大きいもの。取りたいものがすぐに出せる、しまいたいものがスムーズにしまえる、キッチンにはそんな基本的な動作を大切にした収納計画が理想です。

 

そして3番目が「人との距離」。例えば、キッチンのシンクや配膳カウンターから、家族が座るダイニングテーブルやリビングまでの距離。台所仕事をしながらでも家族と話ができたり、料理をつくっている最中でも家族がくつろいでいる気配を感じる、そんなことが可能な程よい距離というものが人にはあるような気がします。これまでのデザインではこのような人がもつ心理的な側面はあまり重視されてきませんでした。でも、生活の基盤も整備され、人々の好みも多様化してきた今日では、このような人の気持ちに配慮した空間距離を大切に感じる心が増えてくるのではないかと考えます。

「そこに立てばいつも楽しい気持ちになれる・・・」そんなキッチンを、この3要素を使って作ってみてください。
三上紀子/レジオン・コンサバティブ株式会社一級建築士事務所

written by 三上紀子/レジオン・コンサバティブ株式会社一級建築士事務所

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