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空間デザインで、例えば飲食店を例にした場合、私が料理人の立場なら得意なメニューをどのような器や皿で提供し、合わせて提案したいドリンクに何を飲んで欲しいか・・・を考えそこからテーブルの大きさ・配置を考える。
そして私がこのお店のお客の立場なら、どんな風に食べているのかどんな風に飲んでいるのか・・・を想像し、その空間を考える。二つのの視点 その融合のデザイン。
リノベーションにも2つの視点ががある。最初に建てた時の”どうやって使うか”を考えた視点。
そして今から”どう使っていくのか”を考える視点。
二世帯住宅の場合、それが更におもしろい。
今まで住んできた住まい。育ってきた住まい。そしてこれから育てていく住まい。
楽しく好きだった空間もあれば、不便で使いにくかった部分もある。
それを知りながらのリノベーション。
面影を残しつつも新しく便利になってゆく空間。
それこそが、リノベーションの一番の醍醐味であるだろう。
ある家族の話
親が高齢になってきた。今後の事を考えると、同居したほうが良いのでは・・・と考えるが、親としては、思い出の詰まった建物。
新しく建替えたいとまでは思わない。出来ればそのまま住み続けたい。そんな中、二階の賃貸ししていた部屋が空いた。
もう住人は居ない。
これも、ひとつのきっかけとなり、同居型の二世帯住宅へのリノベーションへと行動を起こした。
リビング・水回りを一階にし、共に助け合える環境にした。
プライベートは二階に配置し、自宅で仕事もできるようになった。
場所は変わらない、でも空間は変わる。
良いところは残り、不便は改善される。そういう楽しみを一緒に造っていくことがリノベーションの一番のメリットではないだろうか。
執筆_sato-t