アイランドキッチンを考える5…見栄えと使い勝手の関係

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コラム『アイランドキッチンを考える』の5回目。いよいよ、大詰めとなりました。

更に話しを進めてゆきたいと思いますが、ことの流れ上、少々長い記事になってしまいそうです。 ご興味ある方は、お時間のある時にでもごゆっくりお読みくださいね。

さて、島のような形で設置されるアイランドキッチン。 ちょうど、"シンプルモダン"なる『デザイン時流』が訪れたのと時代を同じくし、このアイランドキッチンも一気に広まりました。

そうです。"シンプルモダン"と言えば まさに、空間をできるだけシンプルかつ無機質に仕上げることで家具を代表とする"モノをカッコよく見せる手法"。 ですから、どちらかと言えば建築造作と近い距離にあった"キッチン"を家具の部類に引きずり込んだ最大の立役者は、間違いなくこの"シンプルモダン"でしょう。



 





しかし、前回までのコラムでお話しした通り、キッチンはあくまでも調理をするための場所ですよね。ですから、キッチン周辺で、"調理やその後始末に必要なモノたち"が出番に備えて待機しているのが普通のケースです。

独立型キッチン等の場合は、視線を遮る間仕切りがありましたからそれほど見栄えを気にすることなく、それぞれを 使い勝手の良い場所に置いておくことができました。しかし、アイランドキッチンは「視線が抜ける」というのが最大の特徴です。得てして、使い勝手と見栄えは対立するもの。 できることならば、全て見えないところに隠しておければ良いのですが 如何せん、行為に不便さを感じてしまうのは 最も避けなくてはならないことでです。

ここで、アイランドキッチンを採用する場合の一つ大きな心配点を垣間見ることになってしまいました。 それは「せっかくアイランドキッチンにしたのは良いけれど この必要なモノたちを、見栄え良く整理しておくことが 果たしてできるだろうか?」といったことです。

ことが漠然としていて「どのようにして、この心配点を解決してゆけば良いか?」がよくわかりにくいですね?!

そこで、この心配点をより具体的に把握するため、キッチン周辺に必要なモノたちとその定位置を 整理した上で、心配点を抽出してみたいと思います。







といった結果になりました。

評価につきましては

○…アイランドキッチンのスタイルに影響を及ぼさないもの

△…アイランドキッチンにはその場所が無いもの

▲…アイランドキッチン時は特に整理整頓が必要なもの

★…アイランドキッチン時は丸見えになってしまうもの

といった4ランクに分類しています。○以外はどれも対策が必要な項目ですね。



1)△について…

表中の青い文字で示した通り、アイランドキッチンには原則吊戸棚やコンロ前の壁がありません。 そこで。鍋やフライパンなどの調理機器や器類の一部をうまく仕舞う場所が見つかるか?が心配事となりますが、 アイランドキッチンの場合、通常奥行きが深い形状を利用した大きなキャビネットがカウンター下に生まれます。 こちらは、こちらの調理機器や大皿等を仕舞っておくには打ってこいのスペースとなるため、こちらの心配事はうまく解消できると思われます。



2)▲について…

こちらは表中の茶色い文字で示していますが、今までの独立型キッチンでは あまり気にならなかった背後のキャビネットや食器棚および家電置場までもが、他のゾーンからもよく目についてしまうということが課題点です。

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その対策についてですが、アイランドキッチンを採用するにあたっては、背後に設けられるバック収納 (カップボードとも言います)を含めた設置も一緒に計画することが必須になってきます。 最近のバック収納はキッチンと同じシリーズにて、電子レンジを組み込むことができたり、 食品庫として利用できる棚があったり、ごみ箱の設置スペースが考慮されていたりと、かつてと比べかなり充実しています。

独立型のキッチンにおいては、使い慣れた食器棚や家電用キャビネットをそのまま持ち込むケースも 多々ありましたが、アイランドキッチンを採用する場合は一緒に新装するケースがほとんどです。コストのアップにつながってしまう対策になりますが、アイランドキッチンを採用する以上。仕方がないと 考える他ありませんね。









3)★について…

こちらにつきましては表中の赤い文字で記した部分です。指定位置がキッチンカウンター上部ということからすると、非常に目立ちやすく、急な来客時等はアタフタしてしまう恐れのある、極めて心配が残る内容と言えるでしょう。

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こちらについては、上述の2)と同様、新規購入するバック収納にて、どこに何を仕舞えるか?を含めた 検討で、一部ストック場所を確保できる場合もありますが、食器洗い用のスポンジや洗剤等、やはり通常はキッチンカウンターの上部に置いておく必要のあるものもあることでしょう。とすれば、カウンター上にあったとしても乱雑に感じにくい置き方やそのもののデザインまで、気を使う必要があると思われます。

また、最近、このようなケースで提案採用になる一つの手があります。それは、キッチバックの収納を新調する替りに、天井までの収納扉を設置してしまう方法です。 内部は収納庫に設けるような単なる棚を設ける場合もありますし、オープンにしておいて お手持ちの食器棚や家電用キャビネットを持ち込んでいただくケースもあります。

利点としては、 ・普段は人目を気にせず、自由に使えるが、来客時は扉を閉じて隠してしまうことが可能 ・セルフサービスのお店にある片づけ台のような棚を設けておけば、普段キッチンカウンター上部に置かれているモノを来客時に移動させ隠すことが可能 ・デザインが異なる冷蔵庫もこの中にレイアウトすることで、扉を閉めるとデザイン性が増す といったことです。









以上、今回はアイランドキッチンを採用するに当たり最も不安を抱かれる、見栄えと使い勝手に関する内容について 検証してきました。今後も更なるアイディアを考えてゆきたいと考えています。



次回に続く..



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