完成見学会で一番見ておきたい部分は、やはり内部・外観のデザインです。完成見学会の情報を知ったら、まずは、インターネットや雑誌で、その会社の過去の施工事例をたくさん見てみましょう。事例写真から、その会社の得意とするデザインの特徴を知り、完成見学会が行なわれる建物のデザインにもそれが感じられるかどうかを確認します。お施主様の要望にあわせて建てられているので、建物ごとに個性があるですが、建てた工務店や設計事務所の得意とするテイストは、共通するものがあるはずです。その部分が自分が求めているものと一致するかどうかを事前に確認しておくことで、自分が見るべき完成見学会かの判断をすることができます。自分が依頼した場合に、およそどんなデザインの住宅になるのかを知るためには、この方法が有効です。

　お施主様の要望により建てられた住宅は、その方にとっては、家中すべてがこだわりのポイントです。おそらく、「使いやすいキッチンにしたい。」「スムーズな家事動線にしたい。」「収納スペースはたくさんほしい。」「書斎スペースが欲しい。」などの要望も、プランの打ち合わせでは出てきたのではないかと思います。要望の中には、相反するものあるはずですが、それらの要望をうまく調和させながら、最終的にどのような流れで実現まで至ったのかという「完成までのストーリー」を知ることができる見学会は、見るべき見学会と言えるでしょう。なぜなら、建物への要望は違えど、ほぼ同じ過程を経て家を建てていくことになるからです。中には、お客様の声が直接聞ける完成見学会もあり、その場合は、より参考になるでしょう。要望を実現するアイデアやセンスは、工務店や設計事務所の特長とも言えるものなので、自分の要望に近い住宅で完成見学会があった場合は、特に見るべき完成見学会と言えるでしょう。

　立地条件が近い建物の完成見学会も参考になります。住宅街に狭小住宅を建てようとしている場合には、日当たりやプライバシーへの配慮や工夫が参考になります。逆に広い敷地では、エクステリアと住宅のバランスなどが参考になります。このように土地の条件に応じた建て方があるため、立地条件が近い建物は見るべき完成見学会と言えます。また、急斜面に立つ建物で、眺望がとてもよい場所に立つ建物なら、大きな窓がある場合も多く、同様の立地での建築を検討しているのであれば参考になります。また、車通りの多い道路の近くの建物なら、騒音対策などについて、知ることができる場合もあります。このようなことからも、完成見学会を立地条件が近いという選び方で探してみるのも良いでしょう。

　これは、住宅展示場の場合と同様ですが、建物の仕様や構成が、求めている建物に近い住宅の完成見学会は見るべき見学会になります。機能的な部分で言えば、太陽光発電を利用したエコ住宅であったり、高い耐震等級を確保した住宅であったりです。また、パイン材やウォールナット材など床材に特長のあるフローリングを使っている場合も完成見学会で触って体感することをおすすめします。また、輸入住宅系の建物なら、サッシに特徴がありますので、その使い勝手などを体験することもおすすめします。完成見学会では、工務店や設計事務所の家づくりのコンセプトを知ることができるので、求めるものと一致するかどうかを確かめることが大切です。

　もし、「これは！」と思う完成見学会を見つけたら、できる限り見学することをおすすめします。それは、完成した建物には、工務店や設計事務所それぞれの最新のアイデアやデザインが満載だからです。間取りの取り方から壁紙の色選びまで、参考になる部分が多く、自身のプラン作りに必ず役に立ちます。完成見学会の開催情報は、基本的にはインターネットやチラシになってくると思いますが、気になる工務店や設計事務所があれば、定期的にホームページをチェックするまたは、事前に電話で「完成見学会に行きたい」と伝えておくことで、見るべき見学会を見逃さずに済みます。このように、いろいろな方法で、情報をチェックしながら、見るべき完成見学会を、できる限り見学することをおすすめします。