見えないものまで見えてくる!
音には「空間をつくる能力」があるんです

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昨年から手頃な値段の4Kテレビが登場して、また、ソフト面では動画配信サービスが身近になり、自宅で映画を楽しむための選択肢は日進月歩で増えています。

映画を観るときに音を消してみると?

映画では映像のクオリティがよく話題になります。人間が五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を通じて得る情報のうち、視覚からの情報量は87%を占めると言われますから、映像のクオリティは確かに映画の評価を左右する、大切なところ。
次に多いのが聴覚の7%です。視覚に比べるとずいぶん少ないけれど、映画にとって音は、実は映像と同じくらい重要だと映画製作者は言います。試しにアクションものの洋画を、音を消して観てみてください。字幕がついていればストーリーは追えますが、ドキドキ感が半減して、かなり物足りない。映画において音が果たす役割は、私たちが思う以上に大きいのです。

映画のつくり手は、リアリティをもって映画を観てほしい、映画の世界に入り込んでほしい、と考えているから、音響面の開発も大いに進んでいます。その最新の技術が、立体音響システム「ドルビーアトモス(Dolby Atmos)」です。日本ではTOHOシネマズ系を中心に17映画館の18スクリーンに導入されています(2016年1月現在)。
このシステムがすごいのは、空間から音が発せられているように感じること。もちろん音はスピーカーから出ているのですが、そのスピーカーの存在を感じさせません。すでに体験した方は、これまでにない圧倒的な臨場感に驚いたはず。

「ドルビーアトモス」が切り開く新しい世界

ドルビーアトモスに対応する映画館では、天井にもスピーカーを設置しています。でも、それだけで立体的な音場がつくれるわけではありません。ドルビーアトモスの最大の特徴は、音に位置情報と時間情報を付加する「オブジェクトオーディオ」という技術を採用している点にあり、これによって音が映像の動きとリンクしながら空間を自由に動き回ります。
例えば森の中を風が通り抜けるシーン。1枚の葉っぱが風にのってこちらに飛んできました。ドルビーアトモスでは葉っぱが通り抜けるとき、「ヒュー」という音が鑑賞者の耳元で大きくなります。実にリアル。

次に背後から、葉っぱが風に舞い踊る音が聞こえてきました。スクリーンからはみ出て葉っぱは見えないけれど、音によって葉っぱの存在や風の動きを感じさせます。
映像は空間の一面しか見せられませんが、その映像に付随する音を三次元で表現すると、現実の空間に近づく。ドルビーアトモスを体験して、音には空間をつくる能力があることに初めて気づきました。

自宅でも臨場感あふれる映画鑑賞が可能に

この画期的な音響システムに対応するコンテンツも増えるなか、家庭で実現することができるAV機器も登場しています。最低限必要なのは、ドルビーアトモス対応のAVレシーバー、フロントスピーカー、天井スピーカーの三つ。
今から天井にスピーカーを設置するのは難しいという方も、ご心配なく。オンキヨーの「Dolby Atmosイネーブルドスピーカー」を使えば、天井工事の必要がありません。これはフロントスピーカーの上に置くタイプのスピーカーで、天井の反射音によって上方からの音を再現します。

すでにフロントスピーカーをお持ちなら、AVレシーバーとイネーブルドスピーカーを揃えればドルビーアトモスの世界を楽しめます。値段は二つ合わせて10万円前後から。ホームシアターは上を見ればキリがありませんが、莫大な投資をせずに新しい世界を開くこともできるのです。
百聞は「一聴」に如かず。音響の違いは一度体験すればわかります。全国に18あるドルビーアトモス対応スクリーンにぜひ足を運んでみてください。

Dolby, Dolby Atmos, and the double-D symbol are trademarks of Dolby Laboratories.