照明計画について考える...その2 照明計画がもたらす空間の雰囲気

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照明計画について考える...その1 明るいことは良いことか?の続編です。唐突ですが、まずは"照明計画が及ぼす雰囲気"ついて、建物や部屋の用途を踏まえながら 考えてみたいと思います。



①均一で影をおよぼしにくい拡散照明計画

天井面に、蛍光灯器具を均等に配置する計画。こちらは、よくオフィスや学校のように執務や勉強などに集中できることを目的としたインテリアに用いられます。部屋の照度がほぼ均一となり、影が現れにくいことから立体感の無い、無個性な空間に感じられますが、その一方、物事に集中するには適した空間となるわけです。

●住宅における推奨ゾーン・・・勉強部屋・書斎・その他長時間執務や作業を行う部屋


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②明るさに多少のメリハリを持たせるスポット照明計画

部屋をいくつかのエリアに分け、照明器具を分散させる計画。一つながりの空間の中で、特に明 るくしたいエリアとほのかな明るさで良いエリアとで、メリハリをつけることが可能な照明計画です。スイッチの設置によってはエリアごとの消点灯が可能であ り、またライトコントロール機能を採用することで、明るさ微調整も可能となります。

●住宅における推奨ゾーン・・・玄関・ホール・廊下・ダイニングテーブル上部・LDK全般・寝室


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③光と影を強調させる局所照明計画

特定の対象物やエリアにわざと強めの光を当て、反対にその周囲は明るさを押さえる照明計画。ギャラリーや飲食店を始めとした商業建築等、雰囲気を高めるためによく用いられています。光と影がはっきりするためムードを伴うものの、暗いエリアが発生するため執務や作業を行う上では不向きと言えるでしょう。

●住宅における推奨ゾーン・・・絵画を設置する壁・装飾品置場・特にライトアップしたい場所


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④光源を隠す間接照明計画

俗に"建築照明"と呼ばれています。その名の通り、建築的な造作された壁面や天井面に照明器具の光源を隠してしまう計画です。部屋の隅によく置かれる、布等で覆われた照明スタンドも同じ類と言ってよいでしょう。眩しさを感じる光源が見えないことから、全体的に柔らかい雰囲気となりますが、やはり、他の照明計画を交えないと、いわゆる明るい空間にはなりにくい面がありますね。

●住宅における推奨ゾーン・・・LDKの一部・寝室・玄関ホール


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以上"照明計画が及ぼす雰囲気"について考えてみました。 こうしてみますと、元来は「照明=明るさの確保」と考えられていたものの、 近頃は空間の雰囲気づくりとしての役割も大きくなっていることがわかります。といったわけで、 夜の時間を不具合無く過ごす上では、上述の例を参考にしつつ、 各部屋の用途に合わせて相応しい照明計画を取り入れていきたいものです。 特に、食事や団欒、読書や子供の勉強等、多目的使用が考ええられるLDKにおいては、 上述の②や④(子供の勉強ゾーンとなる箇所は①もプラス)を上手く組合せ、 目的に即した明るさになるように注意を払うべきでしょう。



最後になりますが、 前編の"照明計画について考える...その1 明るいことは良いことか?"では、単純に明るい照明計画が 生活のリズムを狂わせることになったり、睡眠不足を招く恐れがあるのでは…といった 問題提議を行いました。それに対する一つの答えがあるとすれば、一日の自然光(太陽光)に倣う形で、夜が更けるのに合わせ 部屋の照度を徐々に落していくこと。(更にできることなら就寝前は間接照明の方が目に優しいためベター) …それが、眠気を促進し、健全な暮らしのリズムをもたらす最も良い手段だと考えられるのです。






☆☆ 作者情報 ☆☆

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田口秀樹/Tagu Design Studio (株)

written by 田口秀樹/Tagu Design Studio (株)

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