制約があってもあきらめない、狭小住宅は可能性無限大

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昭和の時代、外国の人から見た日本の住宅はとても小さくて「うさぎ小屋」という表現をされていました。さらに当時プライベート重視の考えへと移行していたものですから、小さい建坪の家をさらに小さく区切って6畳のダイニング、6畳の応接間など、家具を置いたら身動きさえもままならないような住宅は珍しくありませんでした。そういう経緯があるものですから、私たち世代の人間は狭小住宅というとどうしても「使いづらい」という発想になってしまいますが、ところがどっこい、現代のコンパクトな住宅は、信じられないほど快適でおしゃれなのです。

オシャレなカフェもやってます。

敷地面積45m²、延べ床面積68m²にもかかわらず、1階には店舗を併設しているお宅です。住宅密集地に建ちながら内部が明るいのは、ロフト上にあるトップライトとロフトの窓に繋がる大きなテラスからの光や風を、吹き抜けやグレーチングを通して2階にも届けているからです。また、洗面とトイレを浴室の隣のスペースにひとつにまとめ、広々と使用しています。床は浴室と同じFRP(繊維強化プラスチック)を採用。強度と耐水性にすぐれ掃除がしやすいのも魅力です。夏にはスカイツリーを背景に隅田川の花火大会を堪能できる抜群のロケーションです。

馴染みのある街に住む決断

子供さんが居る家庭の新築の一番条件は「学区」のこと。こちらのお宅では住み慣れた土地の学校に子供さんを通わせたいと、広さよりも場所を重視しました。手に入ったのは20坪弱の土地。シンプル、シック、スタイリッシュという希望を建築会社に伝え、出来たのは上質感ある家。内部は白のクロスとダークブラウンの無垢の木を多用。シックで落ち着いたおしゃれで落ち着いた空間です。光と風が家全体に行きわたり、快適な温度や湿度で暮らせる住居になっています。

街中で自然と暮らす家

北側斜線を住空間に取り込む事で光をたっぷり取り入れることができたお宅です。2階窓下に配されたグリーンウォール(花台)には、季節毎の植物が配置されます。アクセントにもなっている木仕上げの1階玄関の外壁が自然の緑を一層引き立ててくれることでしょう。日々自然を感じたいというお施主様のご希望により、玄関内部にも土間が拡がります。その横には収納力たっぷりのシューズクローク。玄関にゆとりを持たせることで、お家に広がりを感じます。

気分はカリフォルニア、開放感ある家

こちらの住宅が面した道路沿いは、春になると桜が満開になるそうです。また、近くに緑豊かな神社もある美しい住環境です。その景色を眺めながら3階の南側に配したバスルームを使うのは格別気持ち良いでしょうね。内部は白い壁と無垢の木で統一。日当たりの良い家をさらに明るくしています。サーフィンが趣味のご主人と、読書が好きな奥様の好みを十分生かしながら、お身内やお友達が集まった時にも広々と使えるような工夫が随所に施されています。

ご主人の夢も叶えました。

15坪強の敷地面積のまさに狭小住宅と言えるお宅。吹き抜けのあるリビングは、バルコニーとつながり窓を開けるとさらに開放感いっぱいです。バルコニーには特注タープがかけてあるので、少々の雨でもへっちゃら。階段はスリット階段にし、日中は光が夜は照明が抜けるように工夫が施されています。半地下にはご主人様の書斎があります。パソコン作業と趣味のプラモデルを飾って眺めることができる、男性にとっては夢のような空間もあります。

たった1.5間されど1.5間。

こちらはさらに小さい敷地に建つ壁芯1間半のお宅です。ところが内部はこんなに小さい間口に建った家とは思えないほどの充実度。制約があって仕方なくこうしたという感じはどこにもなく、とても使いやすそうなお宅です。また、気になる収納は必要な所に必要な量が収まるような工夫がされ、さらに最上階にロフトもあるので心配無用。さらにこのお宅は、水回りに採用されているパーツ等がさりげなくおしゃれで、暮らしを楽しくする工夫が散りばめられています。

小さくても実現できたアメリカン。

ご主人のイメージはアメリカ西海岸。サイディング外壁もインテリアも小さなパーツにさえ、アメリカンテイストにとことんこだわりました。2,3階は開放間を重視しての間仕切りなしの空間です。将来的にどのようにでも使用できます。吹き抜けからの光がさらに広がりを与えてくれています。たった10坪強の敷地とは思えない広さも高さも充実の住宅です。写真の3階の窓に高層ビルのようなものが映っているのがわかりますか?スカイツリーも見えるそうです。うらやましい眺望ですね。

デメリットをいかしたメリットたっぷりの家。

2方向を道路に囲まれている三角形の土地。その特徴ある形をいかして素敵な家を造りました。交通量の少ない方向に配置した玄関は外扉と内扉のダブルエントランスです。三角形という形を活かすのはプランニングが難しそうですが、出来てみると狭い部分と広い部分を上手に活かしたメリハリのある間取りになっています。棚やテーブルも家の形状に合わせたオーダーとなっていますが、空間をムダにせず違和感のない仕上がりになっています。
狭小住宅はやはり都市部に集中しがちですが、それには通勤・通学の利便性や、地域への愛着など理由は様々です。ただ、そこに「我慢」や「危険」が伴ってしまうと、郊外の広い一戸建てを選ばなかった意味が無になってしまいます。家はストレスのたまるものであってはなりません。今回ご紹介した家に共通するのは、家にとっての栄養剤とも言える光と風をとても上手に取り入れていること。そして間取りはいつでも変化に対応できるものにしていること。それは狭小住宅に限らず全ての家が持っている課題ですが、逆に小さい家だからこそ実現できるとも言えますね。


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ライター/writer さんたまる