重量木造でつくるビルトインガレージのある住まい

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「敷地に余裕はないけれど駐車場は確保したい。」という要望を満たそうとする場合、建物の1階部分をガレージにするという設計プランが浮上します。ビルトインガレージとは、そのような場合で採用されるガレージが建物の一部となったタイプのものです。柱のない広い空間なので、車を置くだけでなく趣味のスペースとしても活用できます。そこで大切になってくるのは耐震性を確保した空間設計。今回は、SE構法によって実現したビルトインガレージをご紹介します。

和のテイストを感じる大人のビルトインガレージ

建物1階部分につくられた大空間ガレージです。壁際には玉砂利が敷き込まれており、京都に建つ建物を思わせる大人の和の雰囲気が感じられます。
玄関ホールには2階へ上がっていく階段と車を眺めながら話ができる広い土間スペースがあり、ガレージとガラスで仕切られていることで明るく開放的な空間になっています。建物の外観は京都の町並みに馴染む和の雰囲気があります。車3台が駐車できる間仕切りのない広大なスペースはSE構法ならではですね。

リビングと大開口でつながるビルトインガレージ

リビングからいつでも愛車を眺められるレイアウトです。建物の一部となっているガレージは天井までの高さが6mもあり開放感抜群です。そのガレージとリビングはガラスの2枚引き戸のついた大開口でつながっています。ガレージに差し込む太陽光をガラスの欄間の入ったこの開口部からリビングに取り込めます。白と黒でまとめられたシックな外観と梁やフローリングの醸し出す木の温かみを感じる室内とのコントラストが絶妙です。構造的にもゆとりを感じる大空間ですね。

趣味のボートを格納できるビルトインガレージ

奥行きが11mもある趣味のためのビルトインガレージです。間口が少し狭いながらも門型フレームという構造を採用することでバスフィッシング用のボートを格納できる柱のない空間を確保できています。天井付近にある細長のガラス窓からは明るいを確保。壁部分を木製ボードで仕上げることで、好きなところに物を吊り下げられます。また、床を少し立ち上げることで濡れたものを扱う場合の配慮もなされています。
玄関から繋がる廊下がこのビルトインガレージ横を通り、廊下の大きな窓からこの空間をギャラリーのように眺められます。廊下を通るたびに楽しくなれそうですね。

趣味の自転車のためのビルトインガレージ

シンプルで美しい外観の正面にインパクトのある木製の大きな扉。そこは、趣味の自転車が収納できるビルトインガレージとなっています。いつでも気軽に出し入れできることで、好きなものに触れ合う時間をより楽しむことができそうですね。50平米ほどの比較的小さな敷地に立つ建物であることを考えると大胆さと建て主の思いを感じますね。キッチンやリビングなどはスキップフロアを活用しコンパクトに設計されています。ここでも複雑な空間レイアウトに構造的な自由度が活かされています。

外観にインパクトをもたらすビルトインガレージ

横張りされた黒い板材に強いインパクトを感じる外観です。一見この板材がビルトインガレージのシャッターのようにも見えますが、ガレージのシャッターは別で奥にあります。シャッター収納部分がこの板材で隠れていることで、全開時にはシャッターを意識させないすっきり感が出ていますね。外部のモダンさ同様内部もプライバシーと明るさとセンスとが備わる上品な空間になっています。ビルトインガレージでも室内空間でも、柱を意識することのない大空間設計の住まいです。
ビルトインガレージにすることで、開放的な玄関を実現したり、愛車をリビングからガラス越しに眺められたりと、毎日の生活にプラスαの楽しさが生まれることがわかりました。1階を駐車や趣味スペースとすることで、建物全体としての居室空間が限られてくるデメリットもありますが、スキップフロアにするなどの工夫で住まい全体をコンパクトかつ快適にすることも可能です。今回の事例からも要望や条件が厳しくなるほど、構造的な自由さが住まいの設計には大切だということを感じますね。


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ライター/writer hotagos