建築家が提案する、空間を広く見せる6つのテクニック

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限られたスペースに必要な部屋を分割して配置していくと、どうしても一つ一つのスペースが狭く感じることはないでしょうか。また出来上がった空間に買って来た家具を置くと、どんどん狭く感じられることはないでしょうか。実はちょっとした工夫で限られた空間を少しでも広く見せることができます。そういったみなさまのお悩みにお答えして、部屋を広く見せられる工夫の一つ一つを詳しくご紹介します。ご自身の住まいと比べてみてくださいね。

1)家具と天井の間に空間を作る

家具は、実際の使い勝手を考えても天井までの高さは必要ありません。造作家具を作り空間を仕切る場合、家具は使いやすい高さで留め、天井との間に空間を作ると天井の端から端までが見え、空間全体の広さを感じることができます。家具の上部に明かりとりの窓を設置してみると奥行きも感じさせることができ、その効果は抜群です。

2)窓を床や天井いっぱいまで大きく作る

床や天井いっぱいまで広がる窓は、あたかも床や天井がずっと続いているように見えませんか?そして、さらに室内外の素材が連続していたりすると、一層空間の広がりを感じることができるのでおすすめです。ぜひ、床・壁・天井といった面の部分をガラスなどの透明な建具を通して連続させてみてください。

3)吹き抜けで縦方向の空間を広くとる

吹き抜けを用いると、奥行き方向だけではなく縦方向に空間の広がりを感じられます。家族が集まるリビングに吹き抜けを作ることで、吹き抜けを中心とした空間に繋がりを生み出し、家族が出会える機会が増える家になるのでおすすめです。

4)家具を浮かせる

家具を浮かせて配置すると連続している床面が広くなるため、空間全体が広く感じられます。また家具を浮かせると、本来重いものである家具が宙に浮いているということですから、空間に軽快さを生み出します。他にも、掃除機で掃除をするときのことを想像してみるといかがでしょう。掃除機の先が家具に当たらず、隅々まで掃除できそうです。家具を浮かせると、見た目だけではなく使い勝手の面でも利点があるのですね。

5)間接照明で天井面を照らす

照明器具は天井面に設置して、下方に向かって明るく照らしていることが多いと思います。しかし、建具上部などから間接照明にて天井を明るく照らすと天井が高く感じられ、空間の広がりを感じます。また、空間の明るさは、床や壁、天井といった面が明るいことで感じられますので、このように天井を明るくすると空間の明るさも増したように感じます。
以上のように、限られた空間を広く見せるためには、「空間そのものの配置計画を考える」「建具と内外の繋がりを考えて連続させる」「家具の設置位置を考える」「照明を工夫する」「階段などの空間を遮るもののデザインを考える」などさまざまな方法があります。ぜひ、住まいの中に取り入れられそうな部分がありましたら参考にしてくださいね。限られた空間が、少しでも広がりを感じられる空間になることでしょう。

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ライター/writer 眞田 育