日本家屋の香りをモダンに取り入れる

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今を生きる私たちの暮らしのスタイルは、椅子生活が基本。畳の上の生活が当たり前だった昔とはずいぶん様変わりしました。でも日本の気候風土が育んできた日本の家には、郷愁をかりたてられたり、ほっと和ませてくれる何かがあると思いませんか。今回は洋のおうちにさりげなく日本の意匠を取り込んでいる事例をご紹介します。

スタイリッシュに縁側をつくる

ガルバリウム鋼板を貼った無機質な外観から伸びる庇の下に現れるのは、広々とした縁側。白いタイルが醸し出す清潔感と、それに連なる和の空間が絶妙にマッチし面白い空間を作り上げています。このように深い庇は、高い位置から降り注ぐ夏の日差しと雨が直接屋内に入るのを防ぎ、冬は太陽が低い位置から届ける光を取り込む、四季のはっきりした日本だからこそ生まれた様式。杉板が生むやわらかな質感の中、一人で、みんなで、のんびりした時間を過ごしてください。

歴史を積み重ねた梁を眺める

古民家のリノベーションで非常によく使われるのが、年月を経た巨大な梁をむきだしにする方法です。昔ながらの工法で組み上げられた姿を眺めるのも面白いですし、今では目にすることも少なくなった太く力強い梁は日本家屋ならではです。一方で珪藻土や漆喰の壁とも相性が良く、和洋折衷の空間づくりが可能です。
昔の住宅の天井は低いので、背の高くなった日本人のためにも有効な方法です。また、吹き抜けなどの開放的な空間も確保できます。

思い出の瓦を憩いのお庭へ

こちらは使い終わった瓦を再利用。屋根の上から地面へと活躍の場を変えてみました。瓦が持つ独欲の流線形は、デザインとしてとても優秀。お庭に埋め込めば、あっという間に個性的な空間に変わります。日本家屋の象徴のような瓦も、見せ方次第では無骨な色合いがお家のアクセントになります。
瓦に限らず、リノベーションや立て替えをする場合、前の家の一部を転用すると家族の歴史がつながるようで、おすすめです。

ぬくもりの競演!囲炉裏とストーブの共存空間

こちらは囲炉裏を現代の山小屋風にアレンジ!大人数が集えるお部屋づくりの中心に、囲炉裏と薪ストーブの二つを置いてみました。木の温もりの感じられる部屋に薪ストーブはぴったり。囲炉裏ももちろんに会いますが、床にそのまま作るのでは現代生活ではとても不便。掘りごたつ風に作りつけたテーブルの中に取り付けることで、食事をとることもできる、自然と人が火を囲みゆったりくつろげるスペースが出来上がります。

アンティーク調の空間になじむ囲炉裏

こちらは段差のある立地のため、スキップフロア風に作られた間取りを生かし、ダイニングテーブルと階段の間をつなぐように大理石の囲炉裏を取り付けた例です。テーブルと同じ目線にあることで調理にも使えますし、階段の途中にあることで、床に掘られた昔ながらの囲炉裏の雰囲気も感じることができます。アンティーク風に仕上げた無垢材との相性は抜群ですね。
海外のアンティークタイルと日本の囲炉裏が、どちらとも好相性の無垢材を介して見事に融合しています。こんなおしゃれな和洋折衷空間で暮らせたら、毎日の暮らしがもっと楽しくなりそうです。
いかがでしたか?
日本古来の家屋建築技術や様式は、土地の気候風土に合わせて快適に暮らすための知恵がたくさん詰まっています。だから快適なお家を作ろうと思えば、日本家屋の造りを学び、その良い部分を取り入れるのはとても理にかなっています。また大家族が集まって住むのが常識だった時代、大人数で食事をとることを前提に作られていた間取りは、現代で言えば今はやりのホームパーティにうってつけ。過去の知恵を今に生かし、素敵な未来の暮らしを手に入れてくださいね。

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ライター/writer little-maya