つかず離れず、持ちつ持たれつ。二世帯で暮らすためのヒント

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夫の母と暮らして15年。我が家の場合はLDKのみ共有の半分離型二世帯住宅です。最初は世間の嫁が一様に感じる不安要素がいっぱいでした。けれども暮らしてみれば、家事を心配せず仕事や旅行に行ける、突然雨が降ってきても洗濯物を気にしなくても大丈夫等々、ストレス以上に助けられる部分が多いことに気づくのにそんなに時間はかかりませんでした。年輪を重ねて行くと共に、厳しかった義母は丸くなり、こちらはどんどん強くなり、いつの間にか本当の母娘のように遠慮のない間柄になっています。同じ屋根の下に暮らせばこそですね。

喜びや痛みは分かち合う

ご飯は一人で食べるよりも、大勢で食べる方が絶対に美味しいですね。共通の話題が少なくても、同じ場所で家族の話を聞くだけでもお互いに心が休まります。特に気持ちが落ち込んだ時、話を聞いてくれる家族がそこにいるだけで気持ちが落ち着いた経験はありませんか。広々としたリビングですが、吹き抜けがあるとさらに広がりを感じられます。さらに写真のお宅は、リビングがテラスとも隣接していて、さらに拡がりを感じさせる空間になっています。お天気の良い日はテラスでランチも素敵ですね。

同じ物を愛でる

人は同じものを見て笑ったり喜んだりすると、心の距離がぐっと近づいたような気持ちになるものです。写真のお宅は二世帯の玄関の前にシンボルツリーが植えられています。庭で過ごす時はもちろん、家の中からも大きな窓を通して外の様子がよく見えますので、庭の木や花を愛でながら話がはずみます。庭で走り回っていた子供たちやペットが成長した分だけ、庭のツリーが伸びていきます。シンボルツリーはふたつの家族をずっと見守っています。

時に深呼吸

人気のウッドデッキ。二世帯住宅にぜひ欲しいのはこういう心も体も開放できるような空間です。足裏に触れる木の感触、降り注ぐ日光、爽やかな風、ここで背伸びをして深呼吸するだけでも随分と寛いだ気分になれます。こちらのお宅は親世帯と子世帯がインナーテラスで繋がっています。窓が大きいので建物とテラスに一体感があり、空間に拡がりを感じます。夏など家族全員でバーベキューも楽しそうですね。お天気の良い日は二世帯揃って布団干し。どんなに気持ち良く眠れることでしょう。

さりげなく様子をうかがう

狭小住宅では二世帯は難しい?いえ、スキップフロアにすれば可能です。将来のことを考えると親世帯の部屋は1階に造るのが理想と思われますが、3階が子世帯、2階がLDKとなると、いざという時に1階の親世帯に目が届きません。また、窓からの眺めも日当たりも2階の方が良いのなら、現在の居心地を優先するのも良いと思います。通常よりも短い距離で上がれる階段を、リハビリ気分で上り下りするのも若さを保つ秘訣ですね。

マイペースを尊重する

親世帯が元気で趣味や交友関係に勤しみたいという場合は、完全分離型がおススメです。と言っても、間取りはオープンで中庭の向こうは子世帯。向うからもそれとなくこちらの様子がわかるのでいざという時は安心です。朝、会社や学校へ慌ただしく出かけていく子世帯と違い、窓から射し込む朝の光の中でゆっくりとコーヒーを啜る、熟年世代ならではの至福のひと時ですね。壁や天井を白くすると部屋全体が明るくなり、見え辛さが解消されると同時に、汚れも目立ちやすいので掃除も行き届きます。
大丈夫、二世帯住宅も始めてしまえばなんとかなります。但し最初に自分の想いをはっきり伝えておくことは大事です。その上で、プライバシーを保ちながらもそれとなくお互いの様子が窺えるような家の造りにしてください。ご紹介したような家であれば日常の小さな問題点をうまくクリアしながら生活できそうですね。加えて、それぞれの家の共通点として、癒しの要素が散りばめられていることに気づきます。広く見せる工夫、自然素材、植栽、等々。初めからストレスの溜まりにくい仕様になっています。これから二世帯で住むことを検討される方々にぜひ参考にして頂きたい住宅です。


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2014年05月31日投稿 構造 スキップフロアの家 (回答数1)
ライター/writer さんたまる