家の表情をつくる玄関ホール

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玄関は家の顔と言われています。来客が最初に出会う家の印象として、幸福を呼ぶ風水の視点として、日々の家族の外出を支える機能として、うちと外を結ぶ防犯の要として。重要でありながら滞在時間は短く、通り過ぎてしまうことの多い玄関は、ともすると見過ごされがちです。玄関は靴や傘などにとどまらず、家の中に収納しないアウトドア用品の置き場所にもなります。すっきりとした印象の玄関はどのように作られるのかみていきましょう。

毎日の「ただいま」がみえる玄関

泥だらけの靴を脱ぎ、上着をかけ、手を洗う。靴箱や上着かけだけにとどまらず、洗濯機や手洗いなどの水まわりも玄関にまとめています。内と外の境界線である玄関にこれらの設備を配置すれば、家の中に汚れは持ち込ませずに済みます。靴や設備が多くなると、散らかった印象を与えがちな玄関ですが、梁を見せ天井を高くすることで空間的な広がりを持たせ、ステンドグラスによりカラフルさを演出することで、賑やかさの印象に仕上げています。

空間の接点としての玄関

磨りガラスの奥に玄関ドアがあります。この家の玄関は中二階にあり、地階と上階と結ぶ階段の踊り場のような機能も持ち合わせています。天窓からの柔らかな光をメインとした採光が白い壁に反射してほどよい明るさを保っています。またシンプルでデザイン性の高いペンダントライト、細い線が印象的な階段と手すりなどが落ち着いた統一感のある印象を与えます。玄関と踊り場は、出入りの時に通り過ぎるという共通した空間の属性を生かした作りです。

ギャラリーとして、外との境界線をもった玄関

玄関は、内と外との境界線。その境界線の幅を広げたのがこの玄関ホール兼ギャラリースペースです。靴を脱いで奥へ上がるほどの親密さを持たない来客者の対応や、家の主人を待つ間の滞在がここでできます。木の温もりが、家の中へ招かなくとも来客者に安らぎを与え、ギャラリーに並んだ陶芸作品の鑑賞を可能にしています。玄関は家の顔という言葉の通り、趣向をもった人が住んでいるのかが作品を並べることで一目瞭然となっています。

収納が浮いたような、広がりのある玄関

長屋のような奥に長い空間に合わせ、横に長い収納家具が取り付けられています。階段の蹴上部分も無くし、向こう側の空間を見せ、空間の広がりを持たせています。一般的に背の低い家具を配置すれば見た目の圧迫感が軽減でき、広さが演出できます。特にこのような奥行きが長い住宅の場合、それに合わせた長さの家具を配置することで、視角効果が得やすくなります。家具の下や、玄関の上がり口の下に配置した間接照明が玄関ホールに洗練された印象を与えています。

長居したくなる、趣味がつまった玄関

趣味のバイクがある玄関ホール。メンテナンス用品も飾り棚に並べられ、居心地が良さそうなソファーがあります。玄関ホール兼工房といったところでしょうか。バイクのメンテナンスで汚れた手を洗えるように洗面台も見えます。壁材は室内の漆喰を塗った白い壁とは違い、ベニヤの木目をそのまま見せ、床のモルタルの叩きと相まって無骨さが出ています。照明は間接照明ではなく、作業がしやすいように視界の明るい蛍光灯です。
家の広さや生活様式によって、照明や家具の配置の仕方も様々でしたね。一般的に玄関は靴を抜いで家の中に上がる場所です。靴を脱ぐ前の半分外のような空間を広くとるのか、靴を抜いだ後の家の中の空間を広くするのか、収納を重要視するのか、家の顔としての機能を重要視するのか。小さな空間ながらも選択肢は様々です。日々の生活で通り過ぎてしまう玄関ですが、一度立ち止まって改めて見直してみてはいかがでしょうか。

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ライター/writer yumisong