陰影が住まいを美しくする。心落ち着く表情豊かな住まい5選

お気に入りをクリップ

このエントリーをはてなブックマークに追加
心落ち着く空間。表情豊かな空間。それらの空間には光の入り込み方が大きく影響しています。光は明るさだけでなく陰影をもたらします。窓の位置、壁や天井の素材、空間レイアウト、それら全てが調和した時美しい陰影が生まれます。
四季により日の入り方は変わり、1日のうちでも時間により日差しは移り変わります。それらの自然を楽しめる住まい。陰影が美しくする住まい。今回は、そんな表情豊かな美しさのある住まいを集めました。

多方向から光が差し込む表情豊かな空間

方角も高さも大きさも違う開口によって多方向から光が差し込む空間です。デッキにつながった、木製サッシ全てを収納できる大開口からは開放感と明るさが、階段奥の黒い板壁の間からは優しい光が差し込みます。
リビングのハイサイドからの光は天井の板材をやさしく照らし陰影を与えています。天井が高く、風も光も抜ける開放的な空間は自由なライフスタイルを表しているようです。季節の移り変わりだけでなく1日の時間の移ろいも感じられる表情豊かな空間です。

和の素材が生きる陰影のある住まい

35年前に建てられた木造住宅をリノベーションした住まいです。既存の部材と新たに設置された部材との新旧の組み合わせにより趣のある空間に仕上がっています。障子や格子など和の特徴的な素材によりやさしく光を取り込むことで部屋全体が柔らかい雰囲気に。
スリップ階段の上には半透明のハイサイドライトが。奥行きのある暗くなりがちな空間が明るく開放的な空間に。リノベーションにより通風や断熱性能まで向上させた、快適に暮らせる和の素材が生きる陰影のある住まいです。

深い庇によりつくられた陰影のある住まい

南面に設けられた大開口と深い庇。庇の仕上げは室内と同様の板張りです。床とデッキ部分のつながりと相まって空間に一体感が感じられます。この庇が夏の真上から差し込む日差しを防ぎ、夏を過ごしやすくしています。デッキ部分に見えるくっきりとした影のラインがそれを表しています。
この大開口は、障子で仕切ることができる室内空間につながっており、部屋全体に開放感が広がります。深い庇に建物へのこだわりが感じられる住まいです。

古レンガ貼りがつくる陰影のある階段

ニューヨークの路地裏のような大胆で個性的な階段です。トップライトのある階段室には光が降り注ぎ、凹凸感のある古レンガ貼りの壁に陰影を与えています。レンガの本物の質感と造形がつくり出すその表情には普遍的な美しさを感じます。レンガの壁と色あいを整えた鉄製の階段は相性抜群で素敵ですね。
その他の部屋も古材やスチール、コンクリートで構成されており、空間全体に統一感があります。異国情緒さえも感じる個性的な住まいです。

陰影のあるシンプルなリビング空間

白い壁にナチュラルな木質で構成されたモダンなリビング。そのシンプルさの中に光の陰影を楽しむ工夫があります。ハイサイドライトから差し込む光は、立体的なあらわし天井を照らすことで陰影を作り出し、木の質感をより美しく感じさせています。窓から入る光は季節や時間で移り変わり、リビングに日々違った表情を与えることでしょう。
また、ガラスと木製枠のはめ込まれた窓越しには奥につながるダイニングの窓の光を感じることができます。随所に窓があるスキップフロア構成により、木漏れ日のようなやさしい陰影が生み出されています。
「素材の美しさは光がもたらす。」そう言ってもよいほど光と素材の関係は密接だと感じます。また、自然光との付き合い方は日々移り変わる自然を味わう生活スタイルともつながっていると感じます。
夏の暑さを克服するための庇の工夫やハイサイドライトによるやわらかな光の取り入れ方など光に関するアイデアは普遍的ですが、完成した住まいの姿は個々に全く異なるところは面白いですね。
生活を快適する光の取り入れ方がある住まいは、デザイン的にも美しく惹かれるものが多いですね。

関連まめ知識

スキップフロアや単独壁の活用 2014年05月13日投稿 住宅設計 スキップフロアや単独壁の活用
格子戸 2014年09月05日投稿 住宅設計 格子戸
障子戸 2014年09月05日投稿 住宅設計 障子戸

関連Q&A

2014年05月30日投稿 住宅設備 トップライト (回答数2)
ライター/writer hotagos