街に溶け込むモダン建築、住宅の外観を見る

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近代建築の巨匠と言われたル・コルビュジエは、新しい建築の要点として次の5つをあげています。「ピロティ」「屋上庭園」「独立骨組みによる水平の連続した窓 」「自由な平面」「自由な立面」。”自由な”というのは、鉄筋コンクリートを使うことによって、それまで実現しなかった、壁や地面から独立した、重力から開放されたような平面や立面が実現できるようになったことを言います。今回は住宅の外観から、”自由な”モダン建築をみていきましょう。

かわいい、シンプルモダンな住宅

おしゃれな街、港区青山にあるこの住宅は、ガラスを構造壁にすることで、四階建てなのに重さを感じさせない、シンプルでいて遊び心のあるデザイン。白を基調としながらも、室内から見える差し色で、コンクリートやガラスといった冷たい素材を使いながらも、明るさやおしゃれさを演出しています。地上階から高低差を変えることで、隣接する住宅との視線の高さも変えているのがわかります。開放感をぎりぎりまで出しながら、見られすぎない配慮が見て取れます。

かっこいい、スタイリッシュな外観の住宅

大阪は加美に建つ住宅は、まるで別々に作られたキューブ状のユニットが合わさったような形をしています。一階と二階がまるで少し浮いているようにも見て取れます。各ユニットのボリュームを変化させることで、スタイリッシュさに磨きがかかります。モダニズム建築を先導してきた建築家、黒川紀章の代表作「中銀カプセルタワービル」を彷彿とさせる無駄のないかっこよさ。ガラス窓から内部を覗くと、内壁までコンクリート打ちっ放しの構造になっているのが見えます。

高級感もある、デザインセンスの光る住宅

かつて花街で栄えた神楽坂。現在は新宿区という都心にありながら下町の風情も残す不思議な場所となっています。そんな複雑な立地に建つこの住宅は、窓もなくコンクリートで覆われていますが、角をアールにすることで、生活圏に溶け込む柔らかい印象を与えています。また三層に分かれたボリュームは、プライバシーを保ちながら採光を実現しています。そして、それぞれのマテリアルを微妙に変化させることで、高級感さえ醸し出しています。柔らかさと重厚さという難しい二つの要素を上手に融合させている住宅。

ミニマルで洗練された住宅

埼玉県松戸市にあるこの住宅は、洗練されたデザイン事務所のような外観。メインビジュアルのスリット状の壁は、うだつのようにも見えます。うだつとは古くからある日本家屋にみる防火壁。うだつが連続したかのようなコンクリート壁は、デザインのためだけでなく、強い日光を遮るための機能的なもの。装飾を排し同じフォルムを連続させる手法、つまりミニマルは近現代の建築やアートや音楽などに色濃く影響していますが、この住宅もミニマルを踏襲しています。

テトリスのような楽しい住宅

まるでテトリスの途中のような外観。スライドした動きを見せそうです。大胆に変化させた素材同士を組み合わせて、リズム感を出したこの壁材は、室内の用途に呼応させたものだそう。室内空間と外観は別のものという常識をひらりと逆手に取った遊び心のある建物は、きっと内部空間もそれぞれに違う様相を呈しているのだろうと、見る人の想像力もかき立てます。素材に遊び心をふんだんに使った分、立面はシンプルにしてバランスをとっています。
いかがでしたか?住宅といっても、見た目はさまざま。近代になって鉄筋コンクリートを使うようになり、それまでの重さや構造の制約から開放され、建築の自由度は広がりました。しかし、どこまで”自由”を謳歌するかは、建てる人や住む人次第です。そして住宅は街の顔でもあります。いつの時代も土地から切り離して、住宅を建てることはできません。あなたは街の顔をどのようにしたいと考えますか?あなたらしい住宅で街が素敵になるといいですね!

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プライバシーを意識した家 2014年09月23日投稿 住宅設計 プライバシーを意識した家

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ライター/writer yumisong