これからの季節必見。「柔らかい光」の作り方。

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インテリアの記事に頻繁に出てくるフレーズ「柔らかい光」という言葉が気になります。私達の暮らしの中に欠かせない太陽光。でも、春から夏にかけてだんだん輝きを増してくる日差しは時に堪えがたいと感じることも。そんな困った光ですが、知恵と工夫を駆使して調整してみると、ギラギラしていた輝きが、私達の部屋に届く頃には心地よい温かさに変わっている。そんな「柔らかい光」を手に入れるために皆さんどんな工夫をしているのでしょうか。

磨りガラスと和紙が醸し出す優しい光

寝室の引戸は乳白色の磨りガラス。磨りガラスは他のガラスと比べても、取り入れた光を均一に拡散して優しい印象にします。こちらのお宅では和室に採用していますが、壁のクロスが和紙なので、部屋に差し込んだ光をやさしく受け止め全体的に温かい印象にしています。さらに床には縁なしの畳を敷いているので、すっきりとした印象の和室になっています。実に安眠できそうな寝室ですね。

障子を通して届く心地よい光

日本が世界に誇る建具、障子。薄い紙1枚が外気の遮断やプライバシーの確保を成し遂げるのです。そして障子は透過性も兼ね備えていますので、閉め切っても太陽光を遮断することはありません。日当たりの良い部屋なら閉めても照明がいらない程度の明るさは確保できます。また、障子には雪見障子や猫間障子などのように下半分がガラスになっているものや額入り障子のように中間にガラスがはめ込まれている物もあるので、太陽の角度によって採用すれば欲しい光を取り入れられます。

フロストガラスが穏やかな光を導く

フロストガラスは見た目は磨りガラスとよく似ていますが、片面は通常のガラスと同じでツルツルしており、もう一方のサンドブラストされた面も化学処理されてなめらかな風合いになっています。磨りガラスより汚れがつきにくいこともあり、人がよく触れる場所に好んで採用されます。写真のお宅ではバルコニーの腰壁部分に使われています。ガラスなので高さがあっても光を透過し、部屋の中も暗くなりません。

シェード越しの柔らかい光に包まれて

設備や、機械的な仕掛けで光量を調節するよりも、布の優しさにこだわりたい家庭では、日除け対策として窓にロールカーテンもしくは写真のお宅のようなシェードカーテンを採用するお宅もあります。シェードの本体は布ですが、ブラインドと同様の方法で布を折りたたみながら水平に引き上げていくタイプのものです。通常のカーテンだと左右に可動するので、上からの光を遮る際は全面閉めるということになりますが、シェードならば光を遮る高さで止めておけますので、明るさも圧迫感もクリアすることができます。

ブラインドと木材が柔らかい光を生みだす

羽根の角度で光の入り方が調整できるブラインドは、太陽がまぶしい季節には重宝します。こちらのお宅は木製のブラインドを使用しています。プラスチックのブラインドが一般的に流通していますが、木のブラインドであれば熱伝導が低いので、光だけでなく熱も遮ってくれます。またこちらでは窓枠も木材ですので、窓を通して入ってくる光は窓部分で一旦木に吸収され、まさに柔らかい光になります。

カーテンは光のプロデューサー

障子が紙1枚の万能選手なら、カーテンは布1枚の空間プロデューサー。道路に面した部屋を、プライバシーを確保しながら明かりも入れるという、よくありそうで難しいプランを実現したお宅。建物の周りに庭をしつらえることで、外部からの視界を遮りました。部屋全体に吊るしたレースカーテンは、中から見えるサッシや外の景色の雑然とした雰囲気を消し、なおかつ幻想的な光を取り入れる役目を果たしています。

中庭が中継する太陽の恵み

中庭は、その周りの部屋全てに明かりを届けてくれますが、直射日光が余り入ってこないので、夏場でも快適に過ごせるでしょう。中庭に取り込まれた光は、周囲の外壁に反射して、内部に明るすぎず、暗すぎずといった光を拡散します。また、中庭に植物が生えている場合は、さらにすがすがしい光を提供してくれます。

北側の陽光は実に穏やか

北側の部屋は寒くて暗いというイメージが強いですね。確かに他の方角に比べて太陽光が届きにくいですが、だからこそ、暑い季節に快適に過ごせる部屋が作れます。朝日や西日の影響も受けないので温度の上昇も少なく、1日を通じて穏やかな光が差し込みます。家具や床の日焼けも少ないので、お気に入りの家具を置いても案じることはありません。

水面に光る美しさと涼しさ

水にはリラックス効果があります。さらさらというせせらぎの音を聞いているだけで涼しい気持ちになりませんか。それは心理的な効果ですが、もちろんそれだけではありません。川の側が涼しいように、夏の打ち水が心地良いように水には空気を冷やす効果があります。写真のお宅の中庭の水盤に反射した光は、一度冷されて大きな窓から玄関に入ってきます。その柔らかい光を浴びながら、きらきら光る美しい水面をいつまでも眺めていたいですね。

トップライトから降り注ぐ明かり

トップライトは住宅密集地などに置いてはとても有効的な採光窓です。さらに優れているところは、2階や3階からでも下の階を照らすことが可能です。高い位置からの光は下に落ちていくほど弱いものになりますが、昼間は十分な明るさで、屋根の時点で強かった光も下に届く時にはまさに陽だまりの温かさになります。煙突効果により抜群の風通しを発揮しますので、建物全体の温度を下げることにもひと役買います。

ガラスブロックが作る光の世界観

住宅密集地や道路際の建物の場合、無計画に開口部を開けるわけにはいきません。それでも光をとりいれたい場合、ガラスブロックが有効です。ガラスブロックは中空の二重構造になっており、断熱性にも防音性にも優れています。さらに視線を遮りながらも採光は十分ですので、窓があるような効果があり、視覚的に空間が広く感じられます。デザイン的にも優れているので、それを通って入ってくる日光は独特の柔らかさを持っています。

上からの光は少しでも効果大

部屋に光を入れたいけど、あまり燦燦と照らしたくない。外から内部を見られたくない、そんな時に高い位置の窓、ハイサイドウインドウがよくプランニングに用いられます。また、高い位置にある窓は煙突効果によって、空気の流れをスムーズにしますので、窓を開けることで優れた換気性能を発揮します。それも含めてハイサイトウインドウは部屋の暑さを抑えることのできる効果的な窓と言えます。

天蓋が幻想的な明るさを

中庭に可動テントを組み込んだ天蓋を造ったお宅です。お天気の良い日の中庭での日光浴やお喋りは楽しいものですが、気温が高い日などは直射日光がきつすぎることも。そんな時は可動テントを閉めて直射日光を一旦遮断。と言っても白いテント布は透過性があり、強い光は優しい光となって中庭に降り注ぎます。中庭は白い光に包まれた幻想的なアトリウムに変身するのです。
柔らかい光を得るために、設計の段階から考慮しなければならない方法もありますが、後に建具やファブリックの効果的な利用によって強い太陽光を柔らかくすることもできます。あくまでも光の威力を少しでも和らげる方法なので、夏の西日対策には不十分かもしれませんが、太陽光を徹底的に排除するのではなく、光を十分に取り入れながら心地よい暮らしを追求する方法は、毎日の暮らしも楽しくしてくれるような気がします。

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ライター/writer さんたまる