和紙と格子のシンプルな美しさ「障子」の魅力

お気に入りをクリップ

このエントリーをはてなブックマークに追加
日本の中でも歴史が古い建具の一つである障子。
障子とは、縦框と横框の中に組子(細い格子組)を入れて、その上に障子紙を張ったものです。
基本的なデザインは縦3本の組子に、横は障子紙の二つ割りの寸法に合わせて組子を入れるタイプがオーソドックスな形。いわゆる横組障子といわれるものです。
なお横組障子以外にも組子の組み方によって、さまざまな種類の障子があります。
今回は、そんなユニーク溢れる障子を紹介しましょう。

ソフトな陽光が降り注ぐ紙障子天井

井桁に丸太の梁を組み合わせた小屋組みの天井です。天井を天窓にしたことで、光が降り注ぐ明るく快適な空間になりました。
さらに天窓からの光は天井裏で一時的に溜められて、前面の紙障子から柔らかく届くようプランニング。
紙障子は繊細で幾何学的なデザインになっており、自由に曲がり豪快に組まれた小屋組のコントラストも素敵です。
加えて天井には、あえて照明を盛り込まずナチュラルな雰囲気を大切にしています。

障子とフランス製ガラスのおしゃれなコンビ

建具は引き戸で構成されたお宅です。
一見するとミスマッチのように思える、和の障子とフランスの装飾ガラスの組み合わせは、自然かつスタイリッシュにコーディネートされておりナチュラルモダンな印象です。
ポイントとしては、雪見障子のサイズとデザインを、装飾ガラスのサイズやカラーに合わせることで見事にマッチ。
さらに装飾ガラスは単なる間仕切りだけではなく、閉じることでハレの場になるよう考案しました。

モダンな和室のデザイン明かり障子

玄関脇近くにある客間として床の間と南広縁を設けた8畳サイズの和室です。
障子は、広縁へと続く明かりとりとして活用可能。
さらに天井の梁や障子、建具の枠などの黒色は空間全体を引き締めます。
なお2重の組子がデザインされている障子は、和室のアクセントにもなるでしょう。ちなみに、このような2重の組子の障子は吹き寄せ障子と言います。
吹き寄せ障子はデザイン性の良さだけではなく、障子の歪みがでにくいといった利点もあるでしょう。

夜の浜辺を和の雰囲気に落とし込む

この雰囲気のある床の間は、夜の浜辺を意識したものです。
書院窓では、満月と月光を受けた雲をイメージ。床の間の壁は、下弦の月と夜空を表しています。さらに地板のブラックは、砂浜を表現しました。
なお、障子に斜めの組子があるのは波を描写しているためです。
障子もあくまで、和室のデザインのひとつ。
そのため、空間にテーマを持つことはオリジナリティがでるだけではなく、全体的にまとまった印象にもなるでしょう。
障子の魅力の一部として、和紙を通して柔らかい光を愉しめることでしょう。
なお、格子の材料として使用されているものは杉やスプルースなどが多く、格式の高い空間ではヒノキが使われていることもあります。
また障子の面白さは、組子の形状によって印象がグッと変化して見えることでしょう。
組子の柄を美しくデザインし、空間全体のアクセントとして活用しても素敵です。
ぜひとも、古来からの建具である障子を見直してくださいね。

関連まめ知識

障子戸 2014年09月05日投稿 住宅設計 障子戸

関連Q&A

2014年05月30日投稿 デザイン・設計手法 障子について (回答数1)
ライター/writer megumi,taki