花粉の季節がやってくる。春がきらいにならない家造り。

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現在、日本国内の花粉症患者数はスギ花粉症だけで約1500万人以上、全ての種類の花粉症は約2000万人以上と言われています。今や押しも押されぬ国民病となってしまった花粉症の患者は今後も増加する見込みです。完治が難しいと言われる花粉症。その辛さはなってみなければわかりません。花粉の季節を少しでも快適に暮らせるように、家造りにも一工夫加えてみませんか。

花粉は玄関でシャットアウト

花粉の時期の基本、花粉は家の中に持ち込むべからず。コートやジャケットなどは玄関先で脱ぎ、そこから室内には持って入らず玄関周辺に掛けておく習慣をつけましょう。脱げない物や自室に持って入る物はブラシなどで見えない花粉を落としてから入りましょう。そんなアウター衣類やブラシ等の収納場所が玄関の近くにあればベストですね。写真のお宅のように玄関収納があれば見た目もすっきりです。

布団干しは要注意。

花粉の時期の布団干しは要注意です。間違っても昼日中に花粉が飛び交う場所で布団を干してはいけません。外気に触れない屋内の日光がよく当たる所で干すか、布団乾燥機を使用してください。取り込む際は布団たたきなどで強く叩くと内部に隠れていた花粉や埃が舞い、アレルギー症状に拍車をかけます。ブラシなどでそっと花粉やチリを取り除いてください。サンルームや縁側など室内で日当たりの良い広い場所があれば理想的ですね。

洗濯物も花粉から避難せよ

よく晴れた日に干した洗濯物は気持ちが良いものですが、花粉症の人はそれも避けた方が賢明です。屋内洗濯物干場が確保されているお宅はなるべくそこで干すか、場所に余裕がないのなら乾燥機を利用もしくは、室内の目につかない処を利用しては。例えば写真のお宅のように、吹き抜け上を利用して作った物干しバーならば、視線のじゃまにもなりませんし、シーリングファンの風と、バルコニーからの採光で屋内でもよく乾きます。

適度な湿気を花粉は嫌う

花粉は乾燥が大好物。大気中の湿度は常に40~50%にしておくことが大事です。加湿機能付の空気清浄器があれば一石二鳥ですね。ただ、空気清浄器だとケアできる範囲が限られてしまいます。そこで空気もきれいにして匂いも抑えてくれる珪藻土の壁にしてはどうでしょうか。珪藻土にはまた調湿効果もありますので、空気が乾燥していれば湿気を排出して乾燥を防いでくれます。

掃除は必須、だからお部屋はすっきりと。

生活している限り、どんなに注意していても花粉は屋内に入り込みます。そんないつの間にか入り込んで積もった花粉は毎日掃除して取り除きたいものです。床から浮いている家具は掃除しやすく、ごちゃごちゃになりがちな配線を家具内に内蔵させることで埃溜まりになる場所を無くしました。部屋の中の小物を少なくする、物は出したままにしないことで、さらに掃除しやすく埃をためない部屋を目指します。

花粉は窓際でキャッチ

花粉は窓からも容赦なく入り込みます。換気するのは花粉の飛散量の少ない早朝と夜がおススメです。窓にはカーテンを吊るし花粉の侵入を一旦ブロックすることも効果的です。花粉キャッチの機能付ならば尚良し。花粉が付着したカーテンは掃除機でそっと吸い取り、定期的に洗濯することも忘れずに。網戸も同じ機能が付随している商品があります。花粉の時期でも窓は開けたいという人は試してみてはいかがでしょうか。

良質の睡眠がとても大事です。

花粉症に疲労は大敵です。疲れを貯めないために良質な睡眠をとることが大切です。光、音、温度など寝室の環境を整えて気持ちよく眠れる工夫をしてください。写真の寝室は、朝の光が直接入り込まないように窓の位置が高くとってあります。また、照明もベッド脇に温かい色味の間接照明で眠りを妨げないように工夫されています。布団干しに関しては前述した通りですが、枕は直接顔を付ける場所でもあり、毎日カバーを替えるようにいましょう。

ストレスをためない癒しの工夫

現代はストレスが病気の大きな原因を占めています。花粉症もしかり。もちろん何らかの花粉が元凶であることは間違いないのですが、そこにストレスが加わると益々重度になるのです。自宅は思いっきり癒される場所にしてください。写真のお宅は外断熱と全館空調システムを取り入れて一年中快適です。また、床はアカシアの無垢材、壁には調湿作用に優れた漆喰を使用。自然素材の質感と温もりが息づく癒される空間を実現しています。
そういう私自身も実はベテラン花粉症患者です。この記事を書きながらもう鼻がぐずぐずし始めました。花粉を無くすことはできません。でも、自分の努力次第で症状を軽くすることは可能です。その方法のひとつが自宅の環境を整えること。花粉を入れない、入った花粉を除去する、入ってしまった花粉を吸わない工夫。ああ、なんて面倒。でも、それを日常にしてしまうことで、花粉の症状が和らぐとともに家も片付いてしまいます。悪いことばかりではありませんね。

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ライター/writer さんたまる